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◆ 1. 孤独・無力感・退屈という三つの病はお年寄りを苦しめる大きな原因になっている
1番目の原則は、エデンの理念を貫く柱で、残りのすべての原則につながっています。入居者を苦しめる3つの伝染病を真剣に受け止めて、それをなくすためにはどのような住みかにしたら良いのか、自分の問題として考えるよう求めているのです。
◆ 2.
お年寄りがいきいきと暮らすためには、そこに住む同年代の人たちだけでなく、子供・植物・動物とも継続的な関係を築くことが必要だ。こうした関わりがあれば、若い人も年老いた人も、生きがいのある人生を送ることができる。
住み慣れた我が家から施設へ移り住んだお年寄りには何が必要でしょうか?エデン・オルタナティブは、本音を言えるかけがえのない仲間、してもらうだけでなく自分も何かの役に立てるという張り合い(ケアのバランス)、日々起こるちょっとした変化やハプニング、という3つが私たちの生活には不可欠だと考えています。
しかし、時間に追われ、スケジュール通りに業務をこなすことを一番に考える施設運営を行っている場合、スタッフの効率が最優先になりがちです。仲間、ケアのバランス、変化やハプニングなどは、どうしても置き去りにされやすく、3つの病がお年寄りに忍び寄りやすくなってしまいます。
◆ 3.
かけがえのない仲間の存在は、孤独を癒す特効薬になる。お年寄りが仲間である人間や動物と簡単に会えるのは、当然のことだ。
多くの介護施設では、お年寄りが日常的に接する相手は介護職員だけ…ということになりがちではないでしょうか。対等な気持ちで接することができ、時には気持ちを癒してくれる子供や植物、ペットが身近にいれば、寝たきりや痴呆になっても張り合いのある生活を送ることができる―とエデンは唱えています。そういう環境を作るためには、まず効率優先の考え方からお年寄り中心の考え方へと発想を転換することが必要です。
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4.お年寄りがいきいきと暮らす場所では、与えるケアと受け取るケアとの間のバランスがとれている。お年寄りは誰かを気づかったり面倒をみたりする機会を必要としているし、介護者もケアを受ける機会が必要だ。
ケアを与えたり受け取ったりするバランスが一方にかたよると、精神的なストレスがたまりやすくなります。介護をする人は、上手に息抜きをしないと疲れきって「燃え尽き症候群」になる可能性があります。介護される側も同様で、ケアを受けてばかりいる生活だと「自分はもう何の役にも立てない」という気分になり、生きる張り合いをなくしやすくなってしまいます。こういった状態が続くと、介護する側とされる側が対等な関係でいることは難しくなります。
エデンは、ささいなことでもお年寄りが「自分はまだ誰かの役に立っている」と思えるような機会を作ることが必要であり、介護職員の心が癒されるような職場環境が必要だと提唱しています。
◆ 5.
退屈しないで暮らすには、変化に富んだハプニングが欠かせない。いきいきと暮らしているお年寄りは、こうした喜びを感じる機会に恵まれている。
◆ 6.
意味を感じられない作業や活動は、人間の魂をむしばむ。人間が健康に過ごすためには、自分にとって意義のあることをする機会が不可欠だ。
多くの介護施設では、入居者に娯楽を提供するため、季節行事や合唱、習字などのクラブ活動を実施しています。5番目と6番目の原則は、「予定調和的で刺激のないゲームや行事だけではお年寄りの寂しさや空しさ、退屈な気持ちを満たすことができない」と呼びかけているのです。
お年寄りが退屈という伝染病にかからないようにするためには、予定表には載っていないハプニングが必要で、日常的な施設の登場人物がバラエティに富んでいるほど、こうしたハプニングは多く起きやすくなります。ハプニングをもたらしてくれる代表的な例が子供やペットなのです。
◆ 7.
お年寄りがいきいきと暮らすためには、薬にばかり頼らず、心のこもった本当のケアを優先することが必要だ。
夜眠れない人には睡眠薬、奇声を上げて騒ぐ人には精神安定剤、というふうに方程式のように答えを出すのではなく、本人の身になって『なぜ眠れないのか』『なぜ大声で叫び続けるのか』を考えてみることをエデンは勧めています。お年寄りにストレスを感じさせる原因が周りにあるかもしれませんし、薬に頼らなくても身体をマッサージすることで気分が落ち着くかもしれないのです。
◆ 8.
お年寄りがいきいきと暮らすためには、お年寄りか、またはお年寄りの一番近くでケアをしている人たちが決定権をもつことが必要だ。
お年寄りのことを一番よく知っているのは、本人です。人によって異なるでしょうが、その次は、家族や介護職員というケースが多いのではないでしょうか。何を食べたいか、何時に起きたいか…といった日常生活の基本的な部分を含めて、お年寄り本人に決定権をゆだねるのが理想的です。
◆ 9.
お年寄り中心の住みかを作るという取り組みに、終わりはない。生きている限り、人間は成長する。
エデン・オルタナティブの理念を施設運営に生かす取り組みは、植物の栽培とよく似ています。凍った土壌に種をまいても、芽は出ません。種をまく前に丁寧に土壌を耕し、良い土を作ることが植物の生育を左右するのです。芽が出たあとも、毎日水をやり、肥料をまき、畑の様子を見ながら必要な手入れを怠らないことが大切です。
それと同様、エデンの理念を実践する前に、まず組織の土壌を暖め、変化を受け入れられるような風通しの良い関係作りをすることが不可欠となります
。
◆ 10.
リーダーの賢い指導力は、"三つの伝染病"をなくすための原動力であり、それに代わるものはない。
介護する側の効率を優先する集団管理的な運営方法を変えるのは、簡単なことではありません。まず、施設長が孤独・退屈・無力感という三つの伝染病をなくすことを組織運営の目標に掲げることが不可欠です。そして、施設長が強力な決定権にあぐらをかくことをやめ、入居者・家族・職員の意見に耳を傾ける懐の深さを持てるかどうか…。施設トップの自己変革の成否が、組織風土を変えるためのカギをにぎっているのです。


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